年金カット法案とは?年金の世代間格差が問題に。

つい先日、いわゆる「年金カット法案」と呼ばれる『国民年金法等改定案』が衆院厚生労働委員会で強行採決されました。

アメリカの大統領選や、韓国の大統領不正関与問題、TPP法案など大きい話題に隠れて、ニュースでも取り扱いが小さく、公的年金積立金の運用損失の問題がある中での強行採決だったため、批判が少なくありません。

私たちの老後の生活に大きく関わってくる「年金カット法案」とは、どういった内容なのでしょうか?

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年金カット法案とは?

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今は賃金が物価よりも大きく下落した場合、下落幅が小さい物価に合わせて年金支給額を決められています。

「年金カット法案」と呼ばれる『国民年金法等改定案』では、物価と賃金両方下がった場合は下げ幅の大きい方に合わせて年金支給額が決められます

例えば、物価が-1%になり、賃金が-2%になった場合、今のルールの年金支給額は-1%になります。

しかし、同じように物価-1%で、賃金が-2%になった場合、新しいルールでの年金支給額は-2%となるわけです。

物価の変動に合わせて年金受給額を決めてもらわないと、現時点で年金をもらっている人は生活が苦しくなります。

しかし、年金は今の現役世代が納めている年金保険料によって、お年寄りに支払われていますので、賃金が増えないのに年金支給額を増やしてしまうと年金財政が破たんするのは明らかです。

民進党の資料によると、国民年金で年間約4.0万円(月3,300円)、厚生年金で年間約14.2万円(月11,800円)今までより減額になるそうです。
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(出典:民進党たまき雄一衆議院議員のブログ

簡単にいうと、今払っている年金を減らして、将来に財源を残すための制度です。

年金を受給している方にとっては死活問題だと思いますが、年金を納めている世代にとっては「全然悪い法案じゃない!」「何で今まで改正しなかったの?」というのが本音なのではないでしょうか?

年金の世代間格差が問題

厚生年金に加入するサラリーマンの夫と専業主婦の場合、保険料1,000万円支払って5,200万円の年金が受け取れますが、30歳の人は2,900万円支払って6,800万円が受け取る見込みとなっています。

2015年に70歳になる世代は、負担した保険料の5.2倍の年金を受給しているのに対して、30歳になる世代以降では2.3倍受給する見込みとなり、倍以上の格差となるわけです。

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(出典:厚生労働省「世代ごとの給付と負担の関係について」

少子高齢化で仕方ない面もありますが、ここまで格差があると世代間格差の不公平感から年金を納めない人が一層増えていってしまうのではないでしょうか?

また、若者の非正規雇用の増加による経済的困窮や、晩婚や出生率の低下による少子化によって、年金の信用が揺らいでいるのが実情です。

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老後難民が増える可能性も

年金の受給額が減ることによって、「生活保護」の受給者が増える可能性があります

年金を多くもらっている人の税率を上げて、年金額が低い人は受給額を増やすような更なる改革が必要となってくると思います。

今年金を受給している方にとっては生活に関わる一大事ですが、年金について制度として大切なことは維持可能なものにすることと公平性を保つことだと思います。

確かにお年寄りは、教育や医療など社会が今ほど便利でない時代を頑張ってこられました。

しかし、今の雇用情勢では若者も決して豊かとは言えません。

現役世代も、今回の年金カット法案によって将来の受給額が減る可能性はありますので、老後資金をどう確保していくか今からでも対策が必要になります。

老後難民を増やさないような改革は必要になってくると思いますが、将来に渡って年金制度が持続するように年金受給者も現役世代も考えていく必要がありそうです。

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